おかげさまで65周年。
東北から日本の住まい文化を高めていく
「強く、魅力的な会社」へ。

村上ひろみ

北洲はおかげさまで65周年を迎えました。「お客様に暖かな住まいで健康に幸せになっていただきたい」「最新の商材や情報でお役立ちしたい」そうした当社の理念を礎に発展を続けることができましたのは、ひとえにお客様、お取引先様のお引き立てと温かい後押しのおかげです。心より感謝申し上げます。

近年は、気候変動や新型コロナウイルスの感染拡大、海外での木材需要の高まりによるウッドショックなど、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼす事態に次々と見舞われました。こうした時代の荒波を乗り越えられたのは、『実直さ』と『挑戦』という北洲のDNAを受け継ぎながら、時流に淘汰されない「本物」こそが、お客様を幸福にするという自らの軸をブレさせることなく、柔軟に、時に大胆に挑戦を続けてきたからと言えます。

断熱性能が求められる時代に最高水準の提供を開始

社会が成熟化し、あらゆる分野で持続可能な環境対応が求められる現在、北洲は住まいの断熱性能向上による省エネや健康維持増進の実現のほか、大型木造建築やリノベーション分野への事業領域の拡大をさらに進めています。

健康で快適な暖かい住まいをお客様にお届けする取り組みでは、2023年4月から断熱性能の最高グレードG3をクリアする仕様のご提案をスタートしました。サッシ、壁・床・天井の断熱を強化し、最高水準の断熱性能(UA値0.23W/㎡K、断熱等級7)をクリアしており、国が2025年から新築住宅・非住宅の省エネ基準適合義務化で求める断熱等級4以上はもちろん、ZEH水準の断熱等級5を超える住まいをご提供する態勢を整えました。

日本の家はまだまだ寒く、世界水準から大きく後れを取っているのが現状です。一方で、この状況は全国的な問題として認識され、住宅と健康の関係性がより一層注目されています。

住まいの断熱性能を向上させることで、ヒートショックの予防はもちろん、暮らす方の健康増進に寄与するほか、冷暖房費の低減により省エネを実現できるのです。今こそ日本の住まいの現状を打ち破り、東北から日本の住文化を変える北洲の取り組みを、もっともっと前進させていく必要があります。同時にその実践は、日本が2050年までに実現を目指すカーボンニュートラルの達成への住宅分野からの貢献にもなります。

挑戦的な取り組みで地域からの脱炭素化を実現

脱炭素社会の実現に向けた挑戦もカタチにしてきました。岩手県北上市の本店社屋では、高い断熱性能の実現と省エネ設備の採用によりエネルギー消費量60%削減を実現。負荷の抑制や自然エネルギーの利用を行った上で、設備システムの高効率化により50%以上の省エネを実現した建物に与えられるZEB Ready認証を2022年に取得しました。

これは、北洲が追求する健康で快適な空間の実現を非住宅分野においても推進する上で大きな一歩となります。ZEB Ready認証と同時に、ZEB実現に向けてプランニングを実施するZEBプランナーも取得し、提案力をさらに強化しています。

地域とともに脱炭素社会を目指す取り組みにも力を入れています。脱炭素社会に向けた取り組みは、ともすれば地域企業にとってハードルの高いものになりかねませんが、地域と一緒に自分たちにできるところから始めることが重要です。

北洲は、宮城県が設立した「みやぎスマエネ倶楽部」の環境クレジット並びにその収益で実施される環境教育事業の取り組みに共感。2021年11月、地域企業による脱炭素化への第一歩を目指す取り組みとして、本社の使用電力によるCO₂排出量(総量135t)のカーボン・オフセットを実施しました。この取り組みは、J-クレジット東北地域推進協議会(事務局:経済産業省東北経済産業局)が主催する令和4年度の「東北地域カーボン・オフセットグランプリ」において、最高賞にあたる東北地域カーボン・オフセット部門の最優秀賞を受賞しました。

これらもまた、常に新しい挑戦を掲げ、未知のフィールドに踏み出し、有機的に進化し続ける北洲のDNAが発現した取り組みと言えるでしょう。

そして、北洲の先進的な住まいづくりに対する社会の認知と共感の輪は確実に広がっています。2022年8月には、七十七銀行による「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の東北の企業における第1号案件として当社への融資が実行されました。

住まいの断熱性能向上を追求することで、WHO(世界保健機関)が強く勧告している冬季の室温18℃以上を実現し、CO₂排出削減効果を高める当社の目標達成に向けて、2025年度までにHEAT20 G2グレード相当の住宅提供70%を目指すサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)が、野心的で社会的に有意義性があると評価されてのことです。

一人ひとりの社員が活躍できる環境づくり

人口減少と高齢化が進み、日本社会の再生が大きな課題となる中、北洲が使命とする「一人でも多くのお客様に『本物』の住まいをお届けして、ご家族を幸福にする」ことは、ますます重要になっています。

北洲のDNAを次世代に継承するためにも、建材流通から注文住宅の建設・販売、不動産流通、リノベーションまで幅広い分野のプロフェッショナルが集まる会社として成長を続けていかなければなりません。それには、社員一人ひとりが思う存分に働ける環境づくりが必須です。

そのためにも、女性が活躍できる環境づくりは欠かせません。2023年3月には、厚生労働大臣が認定する「えるぼし認定」において3つ星(3段階の最高位)を獲得しました。女性活躍推進の取り組みが優良と認められた企業に対して与えられ、全国の住宅メーカーでは3社目、宮城県の建設業では第1号です。

これにとどまらず、全ての社員が北洲というフィールドで最大限に人生を楽しみ、仕事を通して成長を実感し、社員とその家族も含めて物心両面で幸福になれるよう、「ワークライフバランス」の充実に向けた取り組みを進めています。

北洲が魅力ある人材が集まる会社として成長することは、東北から全国に北洲のスタンダードを展開する原動力になります。

プロフェッショナルとして日本の住まい文化を高めていく

日本でどこよりもお客様に健康で豊かな暮らしをお届けする住宅会社でありたい。
そして本物の価値ある住まいを、日本全国へ広げていきたい。

東北から日本の住まい文化を変えるべく、北洲が創業以来、追求してやまないその道のりは決して平たんではありません。これまでの常識を打破し、たとえ時代の主流でなくともありたい姿を追い続ける。自らの軸をブレさせることなく、挑戦し続ける姿勢こそが北洲のDNAであり、理念を具現化させてきました。

時代が大きな転換期にある今、北洲はさらに「強く、魅力的な会社」へと飛躍しなければなりません。そのために重要なのは、社員一人ひとりのゆるぎない意志と貪欲な自己改革です。

私はそれぞれの社員が自らの強さを存分に発揮して、お客様に幸せをお届けするプロフェッショナルとして活躍できるフィールドをつくっていきます。

全社員が一丸となり、北洲の取り組みに共感いただける仲間の輪をさらに広げて、お客様に生涯上質で豊かな暮らしをお届けすることが、日本の住まい文化を高めていくことにつながるのだと確信しています。北洲の未来に、どうぞご注目ください。