中高層のマンションが立ち並ぶ仙台市市街地の一角に隠れていたような、畑と神社、そして西側の森に囲まれた自然豊かな敷地にまず驚きました。森と一体化した保育園にしたい。そこで建物と園庭をあえて南ではなく西向きに配置したのです。庭に出た園児たちは自然のい風景や感触を全身で感じ、柔らかな心に思い出を焼き付けるでしょう。夏には木々の枝葉が繁り、西日を遮る効果もあります。
所在地 | 宮城県 |
竣工年 | 2009年 |
ドアや下がり壁のアーチにも、柔らかな印象の円形の意匠を積極的に取り入れました。
大きく開口できる3枚引き戸は、園児の手の届かない高さに取っ手や鍵を設置しています。
窓の高さを低めにして、園児の目の高さからも外が見えるように工夫しました。
園児が常に接している床には、ヨーロッパから直輸入しているスプルスの三層フロアを採用しました。スプルスは柔らかく素足でも暖かい樹種です。三層フロアは埃がたまりにくくアレルギー対策にもなります。
壁の仕上げはクロス張りではなく、塗り壁。珪藻左官壁は調湿性、断熱性、吸音性、遮音性、耐火性を備えており、ホルムアルデヒドを吸着します。
1、2歳用のオープンなトイレ。ピンクと黄色の配色で楽しくトイレトレーニング。
園のこだわりである『うさぎ文庫』は、親を待つ園児の待機場所の役割も果たしています。子どもたちが飽きずに楽しく過ごせるようアーチトンネルを設けました。
2階の育児室は小屋裏空間を活かした天井の高い、開放感のある空間です。